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2011年12月 5日

八重山教科書問題は文科省の法改正にまで発展【コラム】

沖縄県の八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)で使用する中学校の公民の教科書をめぐる問題はついに、文科省が法整備を検討する事態にまで発展した。

 

八重山地区での中学校の公民教科書が8月23日に八重山地区採択協議会によって育鵬社に決定したものの、地区内の竹富町は町として独自に東京書籍版を採択し、協議会の採択どおりの育鵬社版を支持している石垣市と与那国町との対立し、混乱が続いている。

 

以前、この問題については教材新聞でも取り上げた(9月9日付記事参照)が、同記事で触れている選定側の思惑のほかに、混乱の原因には法制度の不備があげられる。

 

現在八重山教科書問題の争点は2つ存在する。1つは地区としての採択教科書の統一問題。もう1つは竹富町への教科書の無償配布問題である。

1つ目の採択教科書の統一問題に関しては、統一に向けた地区内での協議が不調に終わっているため、現在解決は暗礁に乗り上げている。

その中で、議論は次第に2つ目の無償配布問題に移ってきている。12月1日に森ゆうこ文部科学副大臣は、竹富町教育委員会に対して、このままでは竹富町には教科書の無償配布を行えず、年末までに今後の対応方針を報告するように通達を出すと表明している。

これは竹富町に地区内のほかの2つの自治体と同様に育鵬社版を採択するか、東京書籍版を自費購入するかの選択を迫るものと言える。

 

実は文科省と竹富町が互いに異なる主張を行っているのには、それぞれ法的に根拠を出してのことである。

文科省が、竹富町に対して東京書籍版の自費購入を促すのは「教科書無償措置法」という法律に基づいている。この法律によれば、国による教科書の無償供与の前提として、教科書の採択地区を設定し、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない、としている。

一方で竹富町は、教育行政法に基づいて東京書籍版採択の正当性を主張している。この法律によれば、地方自治体の教育委員会に教科書の取り扱いに対する職務権限を与えている。

 

これだけ見ると筆者としては、竹富町の主張にも一定の正当性があるが、竹富町が東京書籍版を採択した場合は採択地区として統一できないので、地区全体として自費購入をしなくてはならないようにも読める。ただ、文科省は石垣市と与那国町には教科書を無償供与する方針であるとしている。

 

このような中で読売新聞の記事(12月5日付)によれば、文科省は小中学校で使用する教科書について、市町村の単独採択を認めるように法改正の検討に入ったようだ。

この法律が改正されれば法律が整理され、現在のように法律の二重状態は解消される。

ただ、毎日新聞の記事(12月5日付)によれば、中川文科相は八重山地区の問題に関しては法改正が間に合わないため、現行制度化での収拾を図るとしている。

 

法律の二重性が解消されない中でのこの問題は、どのように決着されるのか、今後の動きを注視していきたい。

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