ここのところ話題の「インド式数学」。
二桁の掛け算まで暗算でできる計算方法の紹介や、3歳でそれらをやってしまう(英語もやってしまう)という国を挙げた熱心な教育も話題である。
またIT分野で優れた技術者を数多く輩出し、今後の成長がもっとも注目される国の一つである。
インドの人口は2001年調査時に10億2702万人といわれている。
しかしそのうち5億6000万人超もの人が文盲者であるというのが、インドの現状である。
小学校への就学率は96%であるが10歳までにその4割が退学していると言う。
理由はやはり貧困だ。
また冒頭に書いたことが当てはまるのは一部の富裕層。
将来海外で成功するためには有名なハイスクールに行かねばならず、そのためには10年生(インドでは小学校1~4年がプライマリースクール、小学校5~8年生がセコンダリースクール、小学校9,10年生が日本で言うところの中学校にあたる)での入学試験で8割以上の高得点を取らねばならないのだそうだ。
また、そのような富裕層の子女の通う、有名私立小学校では教育内容も非常に高度である。
なんと6歳で「イミグレーションのシステムについて」なんて授業を受けている子もいるそうだ。
全体としては知識偏重型で小さなうちから覚えこませるのが中心らしい。
だが一方でこのような教育のもたらす弊害もあるようだ。
昨年12月、インドのEducationalInstituteとIT大手のウィプロ・テクノロジーズが共同で実施した学力調査結果が発表された。
インドの5大都市(デリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ、バンガロール)の有名私立校に在学する4年生、6年生、8年生(日本の小4、小6、中2に相当)の3万2000人を対象に、英語、数学、科学の3科目における学力調査を行った。
その結果…
計算や数学的思考力などの基礎は大変すばらしいが、それを活かすための思考力―相手の要求を理解し、それに合わせて基礎を応用するといったような理解力・判断力を必要とされるシーンに弱い。。
どこかで聞いたことがあるようなフレーズ…と思う。
やはり「理解している」ことと「やり方を知っている」のとでは大きく違うようだ。
せっかく世界でも群を抜いたポテンシャルが、発揮されきっていないというのは残念な現実だと思う。
しかし、インドの教育が私たちに示すことは「基礎力は反復によってしか培われない」ということ「能力を活かすには基礎がなくてはならない」ということであろう。
「ゆとり教育」期を経て、日本でも経験的にこのような回答に至ってきたかな…と個人的には感じている。
何事もバランスよく、かつハイクオリティーに…欲張りですが、そう願います。