札幌大学は7月1日、8月に高校生を対象に「高校生 English Camp」を行なうことを発表した。
なんだ、大学の宣伝活動じゃないか、と思う方もいるかもしれない。それはそれで一理あるし、そのような意図が全くない、などというはずもないだろう。
だが、筆者にとってはこの試みが面白いと思える点が3つある。それは、①大学が主体となっていること、②ネイティブが指導していること、③合宿という形態をとっているということ、である。
教材新聞Webでもたびたび紹介しているが、文部科学省の「生きる力」を教育する方針により、近年学校教育でキャリア教育が重要視されている。各大学がそれぞれ初年次教育やキャリアセンターの設置などさまざまな方向でキャリア教育の実践を行なっている。
ただ、特にキャリア教育型の授業形態で言えることだが、学校と民間との協力でプログラムが設計されていることが多い。企業人や、学習塾の教師といった実務家の教員が講義を担当したり、講義そのものは大学教員が行ないつつも講義内容をサポートする場合がしばしば見られるのだ。
ところで、この「高校生 English Camp」も、高校生に大学で教育を受けてもらうという体験を通して、将来のことを考えてもらうという、キャリア教育となるわけであるが、札幌大学の主催で所属する教員自身が高校生たちを指導する。
プログラム段階で民間の協力が入っているかはわからないが、大学が独力で合宿というある程度大きなイベント規模のキャリア教育を行なうということはとても興味深い。
現在、英会話の重要性は学校現場で認識されている。それだけでなく、世間一般でも英会話が英語の能力の中でかなり重要であると思われていることだろう。
英会話の力を高めるためにはやはり英語のネイティブスピーカーと話し、教えてもらうことが一番の近道である。とはいえ、日本に住んでいる人にとってネイティブと話す機会はそれほど多くない。高校生にとっても、週に1、2度ある英会話の先生がネイティブであれば、そこで話すくらいが関の山であろう。
この「高校生 English Camp」では英語ネイティブの教員が2日間ずっと指導するという。期間中のほとんどの時間が英語だけの環境とのことだ。しかも参加費が2000円というのも大学だからできることであろう。
どの大学も英語ネイティブの教員は一定数いる。この人材を活用して、大学生以外の相手に講義を行なうという試みはとても面白い。
本日取り上げた記事に、大学システムの全面クラウド化というものがあった。また、先週にもiPadを用いた講座での効果を取り上げた記事もあった。
これらの記事からもわかるように、学校は現在、「教育の情報化」という大きな流れの中にある。
この大きな流れの中にeラーニングという動きがある。eラーニングはご存知の方も多いかと思うが、いつでも自宅で学習できる(iPadなどはどこででも)というのが特徴の一つである。
合宿という昔ながらの学習のための形態はもはやなくなっていくかと考える方もいるかもしれない。
しかし、そのようなことはないと思う。指導する人がその場にいなくても学習できるからといって、それは必ずしも同じ場所で指導する人と面と向かった学習が不要になるわけではない。
むしろ面も向かった学習の方が学習効果が高い面が多いというのは、すでに明らかになってきていることでもある。
eラーニングはその場にいなくても学習できるためにあるのだとすれば、その場にいることができるのであればそれに越したことはないのである。
時間に余裕のない社会人ではなく、時間に比較的余裕のある高校生に対して合宿という形態はとても有効であると思う。
あえて(ではないかもしれないが)合宿という形態でこのイベントを実施する点がとても面白い。
以上、3つ面白いと感じたことをあげたが、そんなことを抜きにしてもこのような学習の機会は貴重である。時間のある高校生は参加してみてはいかがだろうか。
札幌大学による同イベントの紹介はこちら。
このエントリーのトラックバックURL
http://121.119.184.163/mt/mt-tb.cgi/1348twitterとiPadを使って高校生が自分の進路について考える。そんなプログラムが東京大学で行われ
[ 記事全文 ]