経済協力機構(OECD)が世界57カ国・地域の15歳約40万人を対象に行った2006年の「生徒の学習到達度調査」(PISA)では、03年の前回調査(41カ国・地域対象)に比べ、日本の科学的応用力は2位から6位へ下がった。生徒へのアンケートでも科学関係の職業に就きたいという生徒はOECD加盟国の平均は25%だが、日本では8%にすぎない。
また、国立教育政策所の調べでは、高1の科学への関心度は中3のそれを下回る結果になった。今日本では深刻な科学離れが広がっていると言える。
その原因の一つに、「高校になると、受験用に講義形式での授業が多くなる」ことを挙げる人もいる。中学の頃の実験授業は面白かったのに、高校での知識の詰め込み中心の授業になったら興味を失ったという声も聞かれる。
それを裏付けるように、塾などの私的教育機関が開く実験体験教室の人気が上昇している。2005年に開校したベネッセの理科教室は現在首都圏で6校、1800人の児童が通う。
学校での実験教育時間は減少しているという。首都圏で実験教室を開いているサイエンス倶楽部(東京都中野区)専務、若林實さんは「小学校の理科実験は、教諭の得手不得手もあり内容は期待できない。むしろわれわれが講師を派遣しているほどだ」と語る。
実験教室は小学校以外にも展開され、東京理科大はこの夏、科学離れが顕著な女子高校生を対象に、実験を無料で体験するサマースクールを北海道の長万部キャンパスで開催する。「光」をテーマにした実験や天体観測を行い、科学への興味をもってもらいたい、とする。
『子供は理系にせよ!』を出版した大槻義彦・早大名誉教授は「理科実験に継続的に触れられるなら、理系を含め幅広い人間に育っていく契機になる。受験や偏差値に直接結びつかないとしても、理科実験を行う意義がある」と強調している。
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