任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS(以下、DS)」の学習ソフトが人気だ。
異例のヒット作が生まれた英語を中心に新商品を発売する動きが活発で、ゲームソフト各社は大学教員による監修を受けたり、実際の試験をDSで再現したりと学習方法や内容の工夫に知恵を絞っている。
授業に取り入れる学校も出始め、学習ソフトの開発競争に一段と拍車がかかりそうだ。
ディースリーは大学受験や英語試験の受験者を対象にしたソフト「やればできる!THEマイクロステップ技術で覚える英単語」を7月26日に発売する。売り物は岡山大学の寺沢孝文准教授と共同研究した「マイクロステップ技術」だ。
人間が勉強して記憶する速度には個人差があるが、誰でも学習すれば少しずつ記憶が定着していくことが分かっている。
この速度を科学的に測定し、実力をグラフで表示するのがこのソフトの特徴だ。
まず英単語を見て、覚えているかどうかを「良い」から「全くだめ」までの四段階で記録。
これを約百単語、毎日10~20分繰り返す。毎日続ければ実力の向上が一目で分かり、学習意欲がわくとしている。
英語学習ソフトは学校でも使われ始めた。京都府八幡市では市立中学校でDSを使った英単語学習を実施。
授業の初めの10分間、アイイーインスティテュート(東京・練馬)のソフト「中学英単語ターゲット1800DS」を使って、英単語を覚える学習をした。その結果、5ヵ月間で生徒の平均語彙(ごい)が4割増えたという。
同ソフトは旺文社の受験用参考書を基に作成した。上智大学の池田真准教授が監修、学習方法などを助言している。京都の事例がテレビなどで紹介されると、「すぐに在庫が売り切れた」(同社広報)という。
同社は英語試験「TOEIC」を再現した「TOEIC TEST DS トレーニング」も販売する。ロケットカンパニー(東京・新宿)も英検試験に対応した「英検DS」を年内に発売する予定だ。
英語学習ソフトは民間の調査によると、2006年に合計約200万本を販売し、現在も販売本数を伸ばしている。
最も売れた英語学習ソフトは任天堂が2006年1月に発売した「えいご漬け」だ。
英語の音声を聞いて文章を書き取るディクテーションと呼ぶ学習法が好評で、続編も含めて200万本以上を販売。英語ソフトでは異例の大ヒットとなった。
DSは二画面を使え、タッチペンによる手書き文字認識ができる。スピーカーやマイクで発音を確認できるなどの特徴があり、語学学習にも向いている。
「脳トレ」などの実用ソフトが売れ、幅広い年代の顧客層にDSが普及したことも相乗効果を生んでいるようだ。
学習ソフトを多く発売するアイイーインスティテュート(東京・練馬)は「エンターテインメントというより学習のツールとして利用している」(広報)と位置付ける。DSはいまや子供向けのゲーム機ではなく、多方面に役立つデジタル機器として注目されている。
漢字や歴史などの学習ソフトも続々と発売されている。英語にとどまらず、今後も、DS向けの学習ソフトの幅が広がりそうだ。
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