この裁判を起こしたのはフロリダ大学のマイケル・モールトン(Michael Moulton)教授。モールトン教授は講義ノート屋、クラスノート(Classnotes LLC)社がネット上で販売している「学習キット(Study kits)」と称する講義ノートは、モールトン教授の著作物の要約に他ならず、講義ノートの販売は、著作権侵害で違法行為であると主張し、講義ノート屋の告訴に踏み切った。
米国の大学では課題となる本の内容を要約した「クリフノート(CliffsNotes)」と呼ばれる学習用参考書も広く流通・販売されてきたが、これまでは、こうした学習用参考書の販売は黙認されてきたのが現状。しかし、今回の訴訟で原告の主張が認められた場合にはクリフノートの販売も著作権侵害として販売が差し止められる可能性もあり、大学生による「お手軽」な単位取得方法に多大な影響を与えるものとして注目を集めている。
モールトン教授は、大学生が授業中に自分で講義ノートを取ることも一種の著作権侵害だが、これらの行為はフェアユースとして認められるべきもの。ただし、そうして作成された講義ノートを販売することはフェアユースとは認められず、明確な著作権侵害だと主張している。
一方、逆に大学側が訴えられるケースも起きている。
Association of American Publishers(米国出版社協会)は米国時間2008年4月16日,米英の大手出版社3社が,米ジョージア州立大学(Georgia State University)を著作権侵害行為でジョージア州連邦地方裁判所に提訴したと発表した。
英Oxford University Press,英Cambridge University Press,米SAGE Publicationsの3社は,同大学が教材として利用している著作権のある書籍を,出版元の許可を得ることなくデジタル・コピーとして配布するのは,著作権侵害行為にあたると主張している。
3社によると,同大学ではコース管理システムや各学部のWebページ,ハイパーリンクを設定したオンライン・シラバスなどにおいて,教材のデジタル・コピーを掲載している。事前許可の取得やライセンス料の支払いをすることなく,著作権のある教材を同大学のオンライン・システムにアップロードし,学生がそれをダウンロードする環境を提供している。
3社は,「同大学と何らかの合意に達する努力をしたが実らず,法的手段に踏み切った」と説明。なお3社は,デジタル・コピー配布の永久差し止め命令を請求しているが,賠償金の支払いは求めていない。
著作権に関する意識が強いアメリカ、昨今規制が強くなってきた日本にとっても、この二つの裁判は見逃せないものになるだろう。
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