明治大学発ベンチャーのアイ・フォスター(東京・千代田、水野勝之社長)は地域活性化などを支援する事業を通じ、学生たちに就業を体験させている。商学部の水野勝之教授が2006年5月に設立。
インターンシップのような一時的な就業体験ではなく、事業の立ち上げから運営、経理などをすべて担わせ、社会に役立つ人材の育成を目指す。
大学の知的財産をもっと社会のために、という発想の元に設立されたこの会社は、明大商学部と協力関係にある自治体と連携し、単なるボランティアではなく経済社会の中で事業として成立する地域支援プロジェクトを実践している。
各プロジェクトの遂行は明大の学生を中心に組織するメンバーが担当する。水野教授らは助言役にとどまり、事業の計画立案や運営などの実務は学生たちに任せるのが特徴だ。メンバーが考えた新事業のアイデアを大学などに提案する場合もある。
会社の設立直後に手掛けた「レオナルド・ダ・ヴィンチ」展の運営は、アイ・フォスターが明大に開催を働きかけた。賛同した明大側が主催者となり、水野教授のゼミの学生らが運営の一部を請け負った。
学生たちがパンフレットの作製のほか、ポスターの掲示や他の大学に出向いて入場券を売りさばく営業活動を展開。会場の案内係も担当した。
事業を実際に体験することで、学生の持つ力を社会貢献に生かしつつ、これから社会に飛び出す学生自身の力を高めていきたいという。現在は自治体からの事業の受託が中心だが、民間企業向けなどにどう広げていくかが今後の成長の課題になる。
これまで事業性のある大学の取り組みは研究分野での産学連携などがメインであったが、今後はこのように社会貢献という立場から社会と大学、企業と大学が大きな目的のために互いの力を出し合う形も増えていくだろう。