中央教育審議会は23日開いた会合で、大学の新入生の学力低下が指摘されていることを受け、推薦やAO(アドミッション・オフィス)入試でも学力テストを実施することなどを盛り込んだ提言案をまとめた。
広く利用されている大学入試センター試験とは別のテストを新設することも想定している。
推薦やAO入試は、早めに進学先を決めたい学生側と、学生を囲い込みたい大学側の狙いが一致して急速に拡大。現在は大学に入学する人の4割を占める。ただ、ほとんどの場合、学力テストの受験が要らないため、基礎学力の担保が大きな課題になっている。6割の大学が新入生に対し、高校の学習内容を補習しているのが実態だ。
中教審は「大学全入時代で過度の受験競争は緩和された一方、一定の基礎学力の確保が期待しづらくなっている」と指摘。「学力不問」ともいえる入試が拡大していることに懸念が高まっているとして、高校・大学教育の質の向上が必要と強調した。
具体策として、推薦やAO入試でも各大学が独自に学力テストを実施したり、大学入試センター試験を合否判定に用いたりする方法を例示。これに加え、高校と大学が共同実施する「高大接続テスト」(仮称)を新設することも提案し「高校と大学で今後協議してほしい」とした。
「青田買い」を抑えるため、AO入試の実施時期に一定の制約を設けることや、高校の調査書の客観性を高めるため各種検定試験を採り入れることなども盛り込んだ。
中教審はまた、最近の大学の新設申請を巡り、専任教員の報酬が極端に少なかったり、図書館の蔵書が足りなかったりといった例が出ていることから、大学設置認可の基準を厳しくすることを検討することも決めた。