文部科学省による「教育ICT化構想」の提言は昨年の日本の教育界において大きな転換点となったが、小学校への電子黒板の導入予算削減などもあって構想実現は長い道のりとなりそうだ。
義務教育機関でのICT化よりも活発に歩みを進めているのが大学でのICT設備導入である。熊本大学大学院社会文化科学研究科・教授システム学でのeラーニング授業の先進例、青山学院大学とソフトバンクとの提携などは大きなニュースとなったが、他の大学においてもICT化を進める動きは活発だ。
金沢大学では、学内にFD・ICT教育推進室を設置。ポートフォリオデータベースの構築、LMS(学習管理システム)の管理・運用などICTシステムの開発・管理に力を入れているほか、ICT教材作成のサポートなども行っている。また、開発された教材・素材のデータベース化も進めている。
京都大学では、情報学研究科および学術情報メディアセンターが共同で設立。教職員・研究者・大学院生と、学外の企業・NPO・自治体などとの間の産官学連携、学学連携、社学連携の基盤となる場の提供をめざし、3000人を超える大学・企業関係者をユーザーとした連携推進SNSを2007年12月より運営している。既存のWeb上のコンテンツとSNSコミュニティ間に双方向のリンクを作成し、技術アピールしたりと有用な産学間のコミュニケーション形成によりICT化の将来像をえがく。
東京大学現代GPでは、2008年3月にICTを活用したアクティブラーニングに関する国際シンポジウムを開催。学生の能動的な学びを引き出すためにICTをいかに活用できるのか、最新の技術に関する知見も含めて議論が行われた。今月12日から、その報告書の公開と記録映像の配信がネット上で行われている(URLはこちら→http://www.komed.c.u-tokyo.ac.jp/gendai/sympo19.html)
以上に挙げただけでも、大学におけるICT教育に関する取り組みは活発で各大学によってその形もさまざまだ。教材新聞では、今後数回にわたって「教育ICT化と大学」というテーマで記事を組む予定だ。ICT技術によって日本の大学教育はどのように変化していくのか?今後の展望を探っていきたい。
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