教育デジタル化の流れを受け、学校教員や学習塾、教育関連企業などによるユニークな教材制作の事例がふえている。だが教材制作に取り組んでいるのは大人だけではない。生徒自身の手による教材制作の教材コンテストがあるようだ。それが国際ウェブ教材開発コンテスト「ThinkQuest」である。
ThinkQuestは、中高生がインターネットを駆使し、国を超えて一つのチームを組み、ウェブ教材を制作し、その出来映えを競うコンテスト。1995年にアメリカでスタートし、日本語で制作するThinkQuest JAPANも開催されている(ホームページはこちら!)。ThinkQuestは英語で制作する国際コンテストだ。国内のコンテストは既に募集を締め切っているが、国際コンテストはまだ募集中。
国際コンテストThinkQuestにはこれまで、世界125以上の国から10万人以上が参加してきた。提出された作品は7,000以上。提出された作品はThinkQuestのライブラリに収録され、オンライン上で利用できるようになっている。日本からはこれまでに240人の中高生が国際コンテストに参加、5人の高校生が世界のファイナリストとなっている。
今年の国内コンテストの最優秀賞は、香川県さぬき市立大川第一中学校の生徒と教師が制作した「ドロップ先生の水講座」(作品詳細はこちら)。「見た人が水について詳しく学べるようにつくったサイト」とのこと。汗のはたらき、浮力、水の状態変化、流水のはたらき、また水の浄化センターの仕組みなど、身近な「水」について、教科横断的に、オリジナルキャラクターのドロップ先生と勉強できるというものだ。
国内コンテストの受賞作品を見てみると、教科書の内容を掘り下げつつ楽しくビジュアルな要素を加えてわかりやすくする、という作品が多いようだ。
国際コンテストをみてみると、作品の傾向に違いがみられる。ThinkQuest2009の最優秀賞は、シンガポール・オーストラリア・中国の生徒のチームによる作品「LEAD Portal - Bringing out the Leader in YOU!」だ(作品ページはこちら)。こちらの作品は、世界で功績を残した人物を取り上げ、「よりよいリーダー」について考えることができるウェブサイト。取り上げられている人物は、ホー・チ・ミン、マザー・テレサ、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアなどの歴史に残る人物や、ビル・クリントン、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズなど、現代に活躍する人物まで、時代も活躍する分野もさまざまだ。
この教材の面白いところは、リーダーになるまでの道筋がシッカリ立てられているところ。「リーダーシップとは何か?」と考えるところに始まり、リーダーシップの要素を知り、ケース・スタディに学び、身近なリーダーにインタビューを行い、自己分析をすすめ、ゲームで自分の「リーダー度」をチェックする・・・と、段階をふんでリーダーの資質を育てる内容になっているのだ。
10代の若者がリーダーシップについての基本的な知識を持ちながら、なかなか実践できずにいるという世界的に共通の問題意識に立脚し、教科書を超えた枠組みでポータルサイトを制作している。内容の充実ぶりももちろんだが、ユーザー名を打ち込むと学習履歴が残ったり、お気に入り登録、メモパッド機能など、インタフェースの充実ぶりを見ると、生徒の作品とは思えないクオリティの高さである。世界の中高生はスゴイ!
◆「LEAD Portal」のトップページ画像
ThinkQuest2010の応募部門は、Digital Media Event、Application Development Eventのふたつ。
1~3位に入賞すると、チームのメンバー全員に副賞としてノートパソコンが授与される。1~2位のチームメンバーはアメリカの「オラクルワールド」に招待される。1位のチームのコーチが所属する学校には、US$5000が授与される。
ThinkQuestの応募受付は既に始まっており、提出の締め切りは2011年4月27日(7:00 PM GMT)。受賞発表は2011年6月22日。詳しい募集要項などは下記のURLへ。
英語の詳細ページはこちらのURLへ。フラッシュでコンテストの概要を知ることができる。
http://www.thinkquest.org/competition/tutorial/tutorial.html
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