来年度から、いよいよ小学校高学年での英語教育が必修化される。わが子がついていけるのか不安に思い、幼児期からの英語教育を考える保護者が増えているようだ。しかしながら、保護者と同等か、それ以上に不安を感じているのが指導側だ。教師向けの指導ガイドはあるものの、実際に教えてみなければわからない指導の難しさは必ずある。しかも英語専門の教師が指導にあたるわけではないので、教育の質がどの程度見込めるかは不安なところ。
教員の指導を助ける試みが、各地で行われている。
長野県東御市では、NPO法人「
英語119」が米国の授業を参考にした英語の学習法を提案しているそうだ。同NPOは、過去に市の教育委員を務めた藻谷ゆかりさん(46)が、自身の海外留学の経験を活かし昨年10月に設立したもの。子どもの英語教育を補助する活動をしているという。
同NPOでは、英単語を童謡の節で歌う曲が150曲以上入ったCDや、音声と一緒に楽しめる約50冊の絵本を教材として用意。英単語の絵などが描かれたポスター類も準備しているという。教室じゅうに貼られたポスターの絵を見たり、音声で単語を聞いて、実際に言葉を話しながら学習していく「米国流」の授業をすすめているそうだ。
一方、広島県福山市の
私立英数学館小学校(引野町、校長:鈴木誠喜氏)は5月20日から、登下校時のスクールバス車内で、英語の音声教材を流し始めたそうだ。教材は、プロゴルファーの石川遼さんの宣伝で注目を浴びている「
スピードラーニング」。
今後1年間は試行期間で、英語検定などでの英語力の向上の度合いを見るという。現時点では、児童からの評判も上々のようだ。
小学校の英語学習に向けての体制づくりは、まだ整いきっていないのが現状だ。しかしながら、教員側の指導能力向上が間に合わないからといって、授業の質が落ちるのはもったいない。実質的な英語指導の場が学習塾にとられてしまうようでは、教育の均質化の面でも非常に問題がある。「学校」という誰もが学べる場所を活かすために、各校での工夫と、国・地方自治体からの指導支援が今後ものぞまれる。
◆この記事のソース:
・「『英語は絵と音で』NPOが小学校向け提案」(2010年5月27日 アサヒ・コム)
・「児童通学中 英語力アップ 福山の私立小 バスで音声教材流す」(2010年5月21日 読売新聞)