親子の会話が一方通行だったり、子どもに生活習慣が身に付かなかったり――。
家庭教育に悩む保護者の不安は尽きない。
そんな中「親学習」と呼ばれる取り組みに関心が集まっている。
接し方を指導する講座を教育委員会が開いたり、親同士集まり学習する場を設けたりなど、子育てのヒントを示す一方で、このような取り組みに、子育てに無関心な親をどう巻き込むかという課題もある。
「親学習」を導入する動きについて、相愛大の岩堂美智子教授(発達心理学)は「都市化や核家族化に伴い、子育てのモデルが失われた。自信を持てない親が増えているのではないか」と話す。
親として「こうしていれば大丈夫」といった典型が良くも悪くも無くなってしまった今、親自身も自分の半生を振り返り、子どもと正面から向き合い対話しなければならなくなっている。
正解はなく、一人ひとりの子に真摯に向き合い一緒に考える姿勢を身に着けることが大切。
各都道府県で様々な取り組みが見られる。
大阪府は2006年度までの3年間にプログラムを親に伝えるファシリテーター(進行役)と呼ばれるスタッフ約390人を養成。各地に足を運び、約1万人の保護者を指導した。
地域の関係が希薄化する昨今、悩みを共有できる存在を親も必要としている。
昨年、親学習を導入した滋賀県は反響の大きさから当初5回の講習会を10回に拡充。
今年度からは兵庫県や埼玉県も取り組みを始めるが、どの自治体も教育を「学校任せ」にしがちな親の関心を、どう引き付けるかに腐心している。
宇都宮大の長谷川万由美准教授(地域福祉)は「子育ての情報収集に熱心な親とそうでない親の二極化が進んでいる。保護者会や就学前健診などの機会を使い、家庭教育の大切さを地域全体で見直し、啓発することが大切」と助言する。
内閣府が今年1月にまとめたアンケートによると、20歳以上の男女1万人に、子育てで大きな役割を担うべきものについて尋ねたところ「親や家族」(45%)がトップだった。
一方、財団法人こども未来財団の調査(2004年)では「子育てに不安がよくある」「ときどきある」と回答した親は計68%。育児に悩みを抱えている実情が浮き彫りになっている。
こうした現状を踏まえ、文部科学省は2004年度から小学校で配っている「家庭教育手帳」を、発達段階に応じて小学校低学年と高学年・中学生向けに分けて作成するなど支援を拡充。
民間団体「親学推進協会」(東京)の大江弘理事は「いじめや学級崩壊の問題が起こると学校の対応に批判が集まりがちだが、家庭や親に問題のあるケースも少なくない。それぞれに検証を加えることが大切だ」と指摘している。
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