既存の教材でカバーできない、もしくは地域独自の学習のための教材を広く募集する全国視聴覚教材コンクールが今年も開催された。今年で35回を迎える。
コンクールの趣旨は以下のとおり。
「今日の多様化した学習内容に対応するためには、市販の教材のみですべてをカバーすることは難しく、学習に対応するきめのこまかい教材や地域に根ざした郷土学習のための教材の自作が必要とされています。また、近年の情報通信技術の進展により、教材の自作はますます身近なものとなってきております。
このコンクールは、その制作の技法の優劣のみを問うのではなく、なぜその教材が必要とされるのか、さらには具体的な利用方法までをふくめて審査し、教育の場で実際に役立つ本格的な視聴覚教材の自作活動を促進しようとするもので、顕彰を通してその制作奨励と内容充実に寄与するものです。」
http://www.javea.or.jp/jisaku/index.html
今年度ピックアップされた優秀作品をいくつか紹介する。
小学校の部最優秀作品賞(文部科学大臣賞)に選ばれたのは愛知県岡崎のお茶作りをテーマに作成したビデオ『自然が育てるおいしいお茶-宮崎茶のこだわり』。市東部の山間地にある宮崎町で、400年の伝統があるお茶作りを受け継ぐ人々の姿を記録したものだ。消費者の健康に配慮し、無農薬や有機栽培に取り組む農家の人たちや、五感を研ぎ澄まして茶の香り、手触りなどを確かめる製茶職人の仕事ぶりを追った。
中学校の部最優秀作品は愛知県の小学校教諭丸山英夫さんの『岩石・鉱物図鑑』(CD-ROM)。画像をクリックすると詳しい説明の画面に移り、またクイズ形式のページもふんだんに取り込まれて楽しく学べるようになっている。丸山さんが撮りためてきた写真は20万枚以上、今回の作品にも自作の写真が多数使われている。
また、福井県の小学校教師上田嘉彦さんが同校児童らと作成した『サクラマスよ、永遠に』が優秀作品に選ばれた。作品は2年前に5年生の担任をしていた上田教諭が、九頭竜川に生きるサクラマスの保存を願い、児童らが人工授精や放流を通じて生き物と環境のつながりを学んでいく姿をつづった。台本作りやナレーションも児童が行った。
サクラマスは絶滅危惧種に指定されている。人間の生活を便利にするために犠牲になっている生命がいることを強く実感させる内容だ。
今年は150作以上の応募があった。
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