日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島(トクト))について、文部科学省が中学社会科の新学習指導要領の解説書に「我が国固有の領土」と明記する方針を固めたことについて、県内では「地元の要望通り、明記してほしい」と期待する声が上がった。一方、「韓国側の反発でどうなるかわからない」と今後の曲折を予想する意見もあった。
県は2005年度以降、国に竹島問題を学習指導要領で取り上げるよう求め続けてきた。県総務課の山岡尚管理監(竹島担当)は「まだ、国の正式発表が無いので何とも言えない」としたが、「学習指導要領の解説書に明記されれば、多くの教科書に竹島問題が記載されるだろう」と述べた。ただ、「韓国側の反発もあるだろうし......」と成り行きへの不安を隠さない。
県内では、竹島がある隠岐の島町が07年度から竹島問題の副教材を使用、県も問題を扱った小・中学校向け教材を08年度内に作成し、09年度以降にビデオ教材と共に授業で使用する。
隠岐の島町の藤田元春・総務課長補佐は「地元として文科省に学校教育で竹島問題を取り上げてくれるよう要望してきた。何とか解説書に明記してほしい」と期待を示した。
それに対し政府は明らかに困惑している。 町村信孝官房長官は19日の記者会見で「竹島が日本固有の領土だという日本政府の一貫した主張に変わりはない」と述べ「学習指導要領の解説書に竹島をどのように記載するかについて、現時点では何も決定していない」と話した。高村正彦外務大臣も「現時点で決定しているものは何もなく、韓国の立場もよく分かっている」と述べた。文部科学省の銭谷真美次官も「解説書に竹島をどのように扱うかは検討中だ」と述べた。
この発言はもちろん日韓問題を悪化させないための配慮だが、問題は対外だけに留まらない。
というのも、安倍晋三前首相の退陣後、勢力基盤が弱まった保守右派指向の政治家が、政治力回復の手段として執拗に領土紛争に火をつけようとしていると見られ、解説書の内容が決定する7月までに日本国内においても竹島の領土問題について議論が起こると見られているのだ。
韓国は早くも「この事案が両国関係に及ぶ波紋を考慮していたら、日本政府は独島領有権の教科書明記方針を今すぐにも撤回すべきである。 」と強い姿勢を見せている。
日本政府にとっては苦渋の二ヶ月になりそうだ。
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