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コラム

2007年7月19日

広がる金融教育―目的は様々

日本では昨今子ども向けに、将来キャリア意識やビジネスに対する意識を身につけてもらおうと金融教育を行う事業者、自治体、学校が増えている。 東京都八王子市は2007年中に、市立小学校の高学年を対象にした実践的な経済・金融の授業を始める予定だ。 市内にキャンパスがある東京工科大学とりそな銀行が共同開発したパソコンソフトを教材にする。 商店を開業し、運営する際の資金繰りなどを学ぶ内容になっている。 数年前から問題となる若者の就業意識の低さを改善し働く意義を認識してもらいたい、ここ数年景気の回復とともに積極的なビジネスパーソンを生み出したい、などという社会の要請が反映されたものだろう。 その内容は企業運営のノウハウや面白さを伝えることに重点を置いたものだ。 ところ変われば求められるものも変わる。 遠く英国でも「金融教育」が盛んになっている。 しかしこちらの目的は日本のそれとはだいぶ異なっている。 英国で金融教育が広がっているのは、個人破産の急増などが深刻な社会問題になっているからだ。背景のひとつには、金銭管理など金融に関する基礎的な能力不足があるといわれている。 個人の過剰債務問題が社会に影を落とす中で、金融リテラシー(能力)を日常生活に不可欠な技術として学校で教える必要性があるとの認識が広がっているためだ。 英銀大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が提供する金融教育サービス「スクール・バンク」の一環である学校内の簡易銀行は全国250カ所の小中学校で今年から始まった取り組みで、金銭管理や預金の意義を学んでもらうのが目的だ。 RBSは1994年に中高生向けの金融教育を開始。 数学など通常の授業に金融教育を組み込めるように学習プランや資料を提供しており、受講人数は100万人を突破した。スクール・バンクは小学生を対象に加えた新たな試みだ。 また慈善団体PFEGと教員が協力し、子どもの関心が高い携帯電話を題材に、料金プランや支払い方法の違いなどを比較・検討してもらうというプログラムもある。支払金額を最小限に抑えることの意味や、支払い延滞が借金につながるリスクなどを学ばせるのが目的だ。   教育の現場は今日の社会の鏡。 教科以外の教育実践はそれぞれの国が直面する問題を直に反映しているといえるかもしれない。

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