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コラム

2009年2月 5日

2009年中学受験界の経済的情勢

2月5日、中学受験生にとっての勝負の時はひと段落したところだろうか。毎年一月末に駅に貼られる日能研の「がんばれ中学受験生」ポスターが目にまぶしい。

 

教育熱が加速しているのは周知の事実だろうか。筆者も中学受験をした身だが、当時周りには中学受験をする友達すら余りいなく、いても塾に行くか、家庭教師をつけるか、のどちらかを選択する家庭が多かったように思われる。

しかし、大学生になりアルバイトで中学受験生の家庭教師をしてみると、10年前より遥かに受験戦争が激化していることが実感できた。筆者が教えた子は、6年生では週4回サピックスに通い、週2回家庭教師(=筆者)に勉強を見てもらうという生活を送っていた。彼の周りもそんなサイクルで勉強する子どもばかりだったという。

 

(余談だが、今教えている別の小学生は、私立小中学校の内部進学生で受験する必要がないのに、家庭教師を3人、週2回ずつ見てもらっている。)

 

今年の首都圏の中学受験生は6万2000~3000人で、率にして22%。1998年は12.8%だったことから見ても勢いの加速は明らかだ。中学受験生を持つ親が、ひと月に学校以外で子どもにかける教育費も、98年は約4万2500円だったのに対し、08年は4万6931円と、約10%増加している(ベネッセコーポレーション調べ)

中学受験塾は、小学4年生から6年生までの3年間でカリキュラムを組んでいるところが多い。すると入会金、受講料、テスト費用などで3年間で費用は200万を超える。また、交通費や食事代、連絡用に持たせる計帯電話代も馬鹿にならない。

更にこの上個別指導や家庭教師をつければ、ベテランのプロ家庭教師で1教科月10~20万円はかかるという。学校の受験料も2~3万、複数校受ける生徒が大半なので、計算すると。

晴れて合格した後も入学金や授業料の支払いが待っている。都内私立中の09年度の初年度納付金(入学金、授業料、施設費など)は平均92万、その他諸々の経費を合わせると100万は見込まなければならない。

 

これだけ家計を圧迫する受験教育費だが、受験生は減ることを知らない。逆にいえば、それだけ公立への不信が際立ってきている、ということだ。小学校高学年の生徒が行う習い事の数も減ってきている。(尤も、これは教育だけが要因ではなく、たとえば不況のせいか高価な楽器は敬遠され、ヤマハなどの音楽教室も打撃を受けている)

 

総務省が1月30日に発表した2008年12月の家計調査(速報)によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出額は、物価変動の影響を除いた実質で前年同月と比べて4.6%減と、10ヶ月連続でマイナスになっている。しかし、消費支出を構成する10項目のうち、「教育」のみはプラスを維持しているのだ。「被服及び履物」は8.4%減、「食料」は3.0%減と、大幅な減少をしているのにも関わらずのこの事態。これもゆとり教育からの転換への不安、大量解雇や就職難時代への懸念によるもの。

 

一人っ子の数も増え、親からの期待を一身に背負った真面目な子どもが増えている、ということなのだろう。別に中学受験をする子がしない子に比べ心が荒んでいて人間性に不安が見られるなどという、見当違いな知ったかぶりをするつもりは毛頭ないが、飄々としていた教え子が時折見せた疲れの表情は、未だに筆者の心に残っている。

 

文科省の教育政策転換も含め、良くも悪くも今の日本の教育は過渡期なのだろう。この記事は、2009年の教育界がどうだったかをここに記すことで意味あるものとしたい。10年後は果たしてどうなっているか。

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