Benesse教育研究開発センターの研究によると、家庭学習の時間は依然として小学生では「中学受験」を志す都市部の子ども、高校生では「難関国公立大学」を志望する偏差値55以上の高校に通う子どもたちでは、減っていないのだそうだ。
大学全入時代と言うが、受験圧力がかからない層とかかる層に分かれただけであり、依然として難関学校への進学を希望する子どもたちは「受験戦争」中なのだろう。
この分析においてはさらに、偏差値50~54(中堅国・私立大を志望する子どもの多い高校。AOなど入試方法が多様化し、場合によってはさほど勉強せずとも入学できる。)の中堅高校の子どもたちの家庭での学習時間の減少が著しいことに注目しており、受験以外に学習への動機付けがないのではないか、受験に替わる学習意欲を引き出す要素が必要ではないか、と分析している。
私個人としては「今からでも遅くはない」ということが、社会全体に通用することになること、例えば 進学を完全に単位制にする(同学年に違う年齢の人がいることが普通になる)ストレートに進学するのではなく高校を卒業後、いったん働いてから大学に行くことが珍しくない、などの社会側の需要力も必要ではないだろうかと思う。
「必要性に気付いてからでは間に合わないから、よくわからないけど痛い目を見る前に受験をしてなるべく安全に…」という心理が働いてしまうから、受験以外の学習意欲を引き出す要素がないのではないか、と思う。もしくは経済的に「最短コース」で行ってもらわないと困る、という懐の事情もあるかもしれない。
いずれにしても「学ぶことは楽しい」だけで勉強をしてくれるのはせいぜい小学校低学年くらいまでだろう。子どもはそこまで「子ども」ではない。
学習時間の差はそのまま将来への展望の差、社会や大人に対する信頼の差かもしれない。