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コラム

2007年12月 6日

論理的思考能力とは―PISAが問う能力

PISAでは様々なテーマの問題が出る。授業で習ったことの習得度ではなく、知識を論理的に使えるかを問うもので、出題形式も特徴的。
例えば科学的応用力の分野で、グランドキャニオンが「歩行通路の利用でどれだけ浸食されるか」と「百年前と同じ美しさか」の二つの問いかけについて、科学的に調べることができるかを答える問題が出たそうだ。
正答には(1)浸食度合いは科学的に調べられる(2)「美しさ」は人によって異なり、科学的調査にはそぐわない――という判断が必要とのこと。
「科学的疑問を認識できる能力」を測る出題とされるが、日本の正答率は54%で、OECD平均を7ポイント下回ったらしい。

どういう回答で「不正解」だったのか、解らないのでなんとも言いがたい。
「百年前と同じ美しさか」という日本語の解釈も実は難しいと思う。(「百年前と同じ」という表現から「美しさ」を「視覚的な同一性」と変換する可能性もありうるし(これは厳密に言うと単語の意味の取り違えなので間違いといえば間違いだけど)、そもそも「美しさ」というものを抽象的観念として定義する国語教育・言語文化がなければ、問いの意味が理解できないかもしれないし…「科学的」という感覚が浸透していない可能性もあるかも…などと私は思った)
「問われているからには必ず答えねばならない」と思って「美しさ」という感覚的尺度を無理にでもできうる限り「科学」しようと奮闘したのかも知れない。

順位より、上に書いたようなこと(日本語という言語的特徴から日本人の思考の中で、混濁し易い情報は何か、とか、抽象的な概念を考える時間とか、「問い」に対して「問い自体が間違ってる」という回答をすることを肯定する教育方法の普及など)が個人的に気になります。
PISAで計測される学力に普遍的な能力があると、もし日本政府が考えているのであれば、この結果から浮かび上がる弱点をきっちりと分析して、今後に反映させて欲しいなと思います。

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